第3章

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「やっぱり、女の子は綺麗にしておかないとね。ところで、今からどうするって話は出来 たの? コアードさんは居ないようだけれど」 「うん。大まかには決まってるよ。祠の調査が終わるまでは今回の事件は村民には内緒っ て事と、調査が終わるまでは村の混乱を避ける為、僕がここで待機って事くらいかな。あ と少し手を貸して欲しいとも言われた。」 「ふむ、なるほどね。ここの調査っていうのは、いつからなの?」 「その話はしてなかったな……。コアードさんは村長とゴニアさんを交えて話をするって 言ってたから遅くはないと思うんだけど」 「つまり、今決めてる感じなのね。あともう一つ、手伝って欲しい事って何か具体的に聞 いた?」 「……たしか、聖殿祭の過去の話? とか言ってたよ」 「どんな風に言い伝えられたとか、始まりはいつか、とかかしらね」 「もっと他にあるかもしれないけど、たぶんそんな所だと思うよ」 「だいたい分かったわ。今は何かする事がある訳じゃないみたいだし、一度家に帰ってシ アンの様子を見てこようかな。それと……リリィはどうしたい?」 「あたしは……スグラと一緒に居ないとダメだから」 「へぇー……。分かったわ」  キュレがニヤニヤとした表情をしながら、口を押えスグラに視線を向ける。 「リリィの事はスグラに任せるわね」 「りょーかい」 「それと、これ」  今朝シアンが持って来ていたパンを渡す。 「今はこれで勘弁してね。後でバイト先から今日の夕飯持ってくるから、ちょっと待って てね。」 「そういえば、今日はまだ、ご飯食べてなかったな……」 「それじゃ、また後で」  手を振りながらその場を後にするキュレ。 「それじゃ、僕も門のところ見張る。だから君らは【祈祷の間】で休んでおくといい」  そう言うとオルは返事を待たずに門へと歩いていってしまった。   「それじゃ、僕らは【祈祷の間】の家に行こうか。リリィはパン食べれる?」 「うん、ありがと」  渡したパンをもしゃもしゃとリスのように頬張りながら【祈祷の間】へと向かう二人。  歩いていく二人の影は長く伸び、家に到着するころには、夜になっていた。 ▼△▼△▼ 「うわっ!」  それは日課である夜の鍛錬中に事件が起こる。 「おお、綺麗だね」 「ちょっと、……光が強すぎじゃない?」 「言ったでしょ? スグラの力の封印が解かれちゃってるって。今は慣れないかもしれ
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