第3章

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ないけどやり方とかは同じなはずだから上手く使いこなさないとねー」  スグラの手のひらには煌々と青白く輝く法玉が握られている。  いつもと同じ手順で練石をしようとしたが、いつも首から下げていた水晶はもう無い。 左手は開いたまま、右手には小石を握りしめるという事で試しにやってみたのだが……。 「それに今は夜だから、ランプの変わりになっていいんじゃない? よく見えるよ」  隣から呑気な感想が聞こえる。 「あのねぇ……」 「あ、扱いには注意してね。この法玉、純度が高めだから少しの衝撃で爆発しちゃうよ」 「いっ! うわっとっと……」  手を滑らせ、落としそうになった所をリリィに拾われる。 「元がその辺の小石だからねー。……こんなもんでしょ。……あーん」  手にした法石をそのまま口の中へ。 「ちょっ……何してんの!」  茫然のその光景を眺めることしか出来なかった。 「んくっ……んはぁっ。何って、人間で言うところの食事だよ。言ったでしょ? 私は スグラからしか、直接魔力が吸えないって」  法玉を丸のみにしながら、何事も無かったように会話を続ける。 「今のが、リリィにとっての食事って事?」 「そうそう、あたしの動力源は魔力だからね。普通の食事からも魔力を絞り出す事が出来 ない訳ではないけど、少量だけなんだ。  あと、普段はこの姿で居る時でも少し魔力が流れ出ちゃってる。補給しとかないとね」 「それじゃあ……」 「ん? スグラが近くに居る限り、消える事は無いよ。元の姿で現界しちゃってると、魔 力の消費も凄まじいんだ。  だけど今みたいに何か器の中に入っている状態であれば、普通に動く分には少ししか消 費されない。  こうやって簡単に補給も、垂れ流しのあたしの魔力も、スグラが全部吸ってるし。」 「いっ! ……そんな……」 「この人形に封印された時、スグラの力を封印していた水晶は壊れちゃったからスグラの 力は開放されてるみたいだけど、その他の契約は自体は水晶の時と同じ感じだよ。  スグラは知らなかったかもしれないけど、水晶の中に居た時もあたしは魔力を放出して いたんだ。その放出した魔力をスグラが吸い取って、それをまたあたしに返してくれてい た。そんな感じで循環してたんだよ。」 「えぇと……混乱してきた。つまり?」 「魔力をあまり持っていない一般人から無意識に魔力吸っちゃう可能性のあるスグラだか
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