第4章

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―――4―――  あの爆発から一週間ほど日が流れ、ラフラの村も落ち着きを取り戻しつつあった。  あの夜、轟音が響き渡り、外に出てみれば祠の方角に巨大な火柱が出現した。  何人かが様子を見に行ったらしいが、見て来た者たちは声を揃え、  『祠がなくなっている』と言っていたという。  爆発の威力を物語るかのように地面が抉れ、ほとんどの場所がむき出しになっている。  ただし、ほんの一部だけ抉られた地面が隆起しており、その頂上のみに祠の石畳と思わ れる物が残っていた。  その一か所だけ、その場所に祠があったと証明出来る唯一の物となっていた。  文字通り、祠は跡形も残らず吹き飛ばされた。  幸い、祠の周りの雑木林には引火などはしておらず、火事の心配はないという。  また、巫女は奇跡的に怪我などはしておらず、村長の家で手当てを受けているとも伝え られた。
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