第1章

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「ひょっとして、香奈ちゃん?」 その想像はどっから来るんだ。 「違う」 「え?、じゃあ三組の莉亜ちゃん?すっごい美少女だし!」 あんたは自分がどれだけ可愛いのか知ってるのか? 「それも違うのぉ?じゃあねぇ…」 次々と学年の中にいる女子の名前をどんどん上げていく。 でも、その名前を聞くたんびに首を振る俺を見てると質問をする気持ちが萎えて行ったみたいで、いきなり俺の頬っぺたをつねってきた。 くそ、スゲェ可愛い。 「江蓮の意地悪!早く教えてよ」 そう言いながら目をいたずらっ子みたいにくりくりさせている様子は、うさぎみたいだった。 「分かったよ、もう。いねぇよ、凛。好きな人なんていねぇ」 お前以外にはな。
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