【4】寄り添う心

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男心 1 その日もそれ以降も、政は彼女を自宅まで必ず送り届け、いつもより遅くなった時は必ず母親や姉に詫びを入れて帰った。 「どうして、毎日送ってくれるの?」と加奈江は聞いた。 私は少しでも一緒にいられるなら、それだけでいいのだけど、とは口に出さないで心の中で言って。 政は言う、「カナが心配だから」 「お前、気付いてないの?」 「何に?」 「いや……わからないなら……いいよ」 政は口ごもり、話題を変えるように話をつないだ。 「俺、小耳に挟んだんだ、学校付近で犯罪が増えている、多分……お前の友人が巻き込まれたようなのも含まれてる。そう言えば、友達は……」 「うん、会ってないけど、今は何とか、普通に過ごしているって」 本当は、すぐにでも駆けつけたかった。会ってなぐさめたかった。けれど、母と姉に止められた。 今まで通り、道で会ったら声をかけるところから始めなさい、人に知られていることが恥ずかしいし、人に無視されたり特別視されるのも辛いものだからと。 姉は『経験者』だ。道代の一言は説得力を持っていた。 今はただ、友との偶然の再会を待っている。 「そうか。早く元気になるといいな、会ったことがない俺が知っているのを聞いたら、友達はもっと傷付くのだろう?」 その通りだ。 政の隣で、おさげを揺らしながら、加奈江はうなずく。 そんな彼女を横目で見て、政も思う。
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