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心だけでも繋いでおいたらよかった。
身体は無理でも、心だけは。
言葉だけでも、お互いの気持ちを確かめ合っておけばよかった。
あの頃は、きっとお互いに同じ気持ちだった。
すれ違う前に、鎖をつけておいたらよかった。
そしたら、どこかに行ってしまう事なんてなかったのに。
いつも俺を待たずに消えてしまう彼女の真意をつかめなかった。
教師と生徒の立場と12歳の歳の差を乗り越えられるだけのモチベーションを保てなかった。
それなのに。
燃え上がりはしなかったくせに、彼女への想いは…仄かな光を放って燃え続ける炭火のように、ずっと…消えてもくれない。
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