+それは緩やかに変わっていく+

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 いつも通りに他愛のない話をしながらの夕食。  ちゃんと美味しく出来ていたけれど、どこか物足りないのは、翠自身が誕生日にどこか期待しすぎていたから。  食べ終えて、コーヒーメーカーをセットして戻ると、テーブルに小さなワインレッドの紙袋が置いてあった。 「誕生日おめでとう」  真一郎にそう言われても、きょとんとして真一郎と紙袋を見比べてしまう。   「誕生日、週末って……」 「ちゃんと飯つくってやったりすんのは週末な」  上質で柔らかな手触りの紙袋には、銀色で華奢な手書きの文字が箔押しされていた。中には小さな箱が一つ。  アクセサリー……?  取り出した箱をそっと開けると、中にはシンプルなリングが一つ。 「指輪…?」  指輪ならもう貰っているはずなのに、と真一郎を見上げると、白い封筒を手渡された。 「それはオマケ。どっちかって言うとこっちが本命」  本命ってどういう事? 疑問を抱いたまま封筒の中を一目見て、息を飲んだ。 「真一さん、これ……」 「見ての通りだけど?」  見ての通りと言われても、と翠は手元にある封筒から取り出した1枚の紙を広げていく。
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