episode4 もしも、あの頃

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ドラマは来週へ続いたけれど、真一郎と翠の間に漂う空気は非常に、後味が悪かった。 やっぱり見なきゃよかった…と思っていた。 もう過去の事だけど、立場が同じだった自分たちに重ねてしまうのだから。 「自分でつけといてそんな凹むなよ」 馬鹿だな、と上から降ってくる声に、膨れて上を見上げる。 「だって」 「どーせくっつくだろ。ドラマだし」 「ちがくてぇ…」 違うのだ、凹んでるのはそこじゃないのだ。 「じゃ、何凹んでんだよ」 「あの頃の歳とか考えたら…さ。 高校生ってやっぱり子供だなって…」 ため息混じりにつぶやくと、頭をくしゃくしゃと撫で回される。
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