episode4 もしも、あの頃

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「お前、懐いてくれてて可愛かったしな」 よしよしと頭をなでてくれる手に、胸がきゅうっと締め付けられる。 「ほんとは、担任に報告しなきゃいけなかったはずだったんだよ。 お前の事」 学校で起こった問題だから、と。 考えたことも無かったその言葉に、ドクンと心臓が嫌な音を立てて、思わず真一郎を見上げた。 思い浮かんだのは、一年生の時の狸みたいなお腹の中年教師。 言ったの? あの担任に? 私が…放課後の学校で何をされたか話したの? 声に出すのが、怖かった。 あのことを真一郎以外の人間が知ってるなんて、考えたことも無かった。
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