俺の独り事

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最初はもちろん驚きました。男同士で、しかも血も繋がっているし、しかもあんなに冷たい態度を取り続けている相手に、果たしてここまでの気持ちを持ち続けさせることができるのだろうか。そこで俺は考えました。恭介の気持ちを踏みにじる行為をし続けようと。でも、それだけじゃ面白くない。俺は恭介に自分の体を少しだけ触らせることにしたんです。恭介にも少しだけの甘い官能的なスパイスをあげようとしたのです。その方が、例えずたずたに気持ちを踏みつけられたとしても、きっとそのご褒美を楽しみに俺をずっと好きでいてくれるのではないだろうかと。そうだ、きっとそうすればずっと恭介は俺だけのものになり、それはつまり俺は恭介だけのものになる。双子ってそういうものですよね。俺って、間違ってないですよね。 あ、恭介が帰ってきた。親二人は居間で仲良くテレビを見ている。さあて、恭介。俺達も仲良くしよう。耳は触らないでね。それ上触ったら、立場、逆転させちゃうからね。早く部屋においで。早くそのドアをノックしてよ。さあ、早く。俺だけの恭介。これからお楽しみの始まりだ。それではこれにて、失礼します。ごきげんよう。
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