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俺は自分のことはどうでもいいのかと、毎晩のように俺の鼓膜を刺激するその言葉達に密かに怒りをぶつけていました。俺がもし、恭介の立場だったら、この場所にいるのは俺ではなく恭介の方だったのではないかと。そう思って以来、俺は恭介に少し冷たく当たるようになりました。一緒に学校へ行かなくなったし、大好きな漫画も貸してやらなくなったので、次第に恭介は俺にあまり関わらないようになりました。
その頃です。俺は恭介が俺のマフラーをその細い首にぐるぐる巻きにして寝ている光景を見たのは。マフラーは双子だから一緒の色とか、そういうセンスを持っていない母親だったので、間違って俺のマフラーを巻くという行為は皆無なのですが、恭介は明らかに俺のマフラーを巻いて、それはもうすやすやと寝ていたのです。何故そういう行為をしているのか、あまりわからなった俺でしたが、次第に気づいていくのです。俺の事を、恭介はそういう目で見ているという事に。
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