天才と劣才

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母さんにこんな息子がいることが申し訳ない。 近所の人に育て方が悪いとかなんとか陰で言われていることもわかってる。 勉強は嫌いなわけじゃなかった。でもどれだけやっても結果は出なかった。だから教師から勉強しなさいなんていつしか言われなくなってしまった。 1位の奴なんて真面目のガリ勉に決まってんだ。 まったく、どうかしてるぜこの国は。 ボロいアパートの扉を開ける。 「ただいま」 「お帰り」 母さんは今日も笑顔だった。辛いはずなのに。 「翔央、これ。」 手渡されたのは俺宛の手紙。俺宛になんて珍しい と思いながら送り先を確認する。 「国立知能向上機関…?」 それはあの憎き制度を作った機関からであった。 「何てかいてある?」 知能強化合宿。そう銘打たれたプロジェクトは 知能テスト最下位の俺と1位の奴、2人が国の監督のもとに合宿をするというものだった。
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