天才と劣才

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どんな人なんだろう。でも会うことなんてないだろうな。 僕はモニターを眺めながらそんなことを考えた。 僕は小さい頃から自分の知らない世界を見てみたくて、たくさんの本を読んだ。たくさん勉強した。 そのおかげでテストはずっとSランク。 今の高校だってランクが良いために、受験をパスすることができた。 嬉しい反面、どこかモヤモヤとした気持ちを抱えながら今まで生きてきた。 運動なんて出来ないし、芸術的なセンスがある訳じゃない。 昔なら僕はちょっと勉強ができるだけの奴だ。 なんでこんな世界になってしまったのか 「咲くん?」 モニターから声のする方へ目を向けると 幼馴染みの麗華(レイカ)が立っていた。 彼女は、綺麗な長髪で少し背は低いがスタイルは良く、顔も淡麗だ。 「終わったの?テスト」 「うん。麗華は?」 「今終わったところ。結果はどうだった?」 「いつもどおりだよ。」 「そう。そう言えば聞いた?政府がまた新しい政策始めるみたいよ」 「いや・・・どんなことするの?」 「成績上位者と最下位近くの人が関係あるとかなんとか」 「僕は何も聞いてはいないけど」 「そうみたいね咲くんが呼ばれて無いのなら誤報かもしれない」 「そうなのかな」 それが本当ならば、僕は必然的に呼ばれるはずである。じぶんで言うのも何だけど
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