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「素直に捕まりなさい。さもないと…。」
「さもないと?」
怒りに満ちた少女の声に、しかし青年は全く動じない。
それがとどめとなったのか、少女は素早く剣を抜き放つ。
「力ずくで捕まえるっ!!」
力強く吼えた少女に、傍観していた野次馬が騒ぎ出す。
やれやれー!囃し立てる者。
危ないじゃないか!叱責を飛ばす者。
様々な声が飛び交って、とても収拾が付きそうにない。
その状況に青年は頭を抱えていたが、少女はお構い無しといった具合に臨戦態勢を解かない。
やがて青年は、大きな溜め息を吐いた後、少女に問い掛けた。
「お前、返り討ちになるとかは考えないのか?」
ピキッ…。
何かが折れるような音が鳴った気がする。
青年がそう思った瞬間。
「だ、か、ら…お前呼ばわりするなぁぁっ!!」
少女は声と力一杯に地を蹴って青年に向けて飛ぶ。
そして振りかぶった剣を渾身の力で青年目掛け振り下ろした。
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