一章 偽の平和と盗賊達の宴

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まともな武器を持ち歩くなんてますます怪しい! 心の中で叫び、セレスは再び斬りかかろうと足に力を込める。 しかし。 「俺が勝った場合は…あらゆる恥を覚悟しとけよ?」 綺麗な顔立ちからは考えられないほどの冷たい声に、セレスは身体中に悪寒が走ったのを感じた。 辺りの野次馬もそうだったらしく、先程までの馬鹿騒ぎが嘘のように静まった。 危険だ…! その場に居る誰もが思った。 セレスも、自分が怒らせてはいけない何かの逆鱗に触れたことを感じ、少しずつ後退る。 「行くぞ。」 青年が短く言い放つ。 それを聞いて、セレスは何とかやり過ごそうと構え直した。 が。 「…っ!?」 一瞬だった。ほんの一瞬で、青年は距離を詰めセレスの目の前で斬りかかる体勢に入る。 あぁ、やられる。 その動きがスローモーションのように見えた瞬間、セレスはそれを覚悟した。
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