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お母さん、ごめん…!!
心の中で呟いて、セレスはぐっと目を閉じた。
がすっ。
しかし、身体に走ったものは斬撃による痛みではなく、鈍い衝撃だった。
予想外のそれに驚いてセレスが瞼を開くと、青年が剣の柄の部分で殴ってきたのが解った。
「痛っ!?」
どしん、とその場で尻餅を付いたセレス。
殴られた場所は大して痛まなかったが、地面にぶつけた尻が地味に痛い。
セレスが顔を上げると、青年は酷く呆れた表情で見下ろしていた。
「俺の勝ちで良いよな?」
青年はにっこりと笑いながらセレスに尋ねた。
しかしその声色は威圧感に満ちている。
セレスが弱々しく頷くと、青年は安堵したかのようにふぅ、と息を吐く。
完敗だ。
セレスは悔しさと、つい先程まで思い描いていた事態を免れた安堵とで、涙が滲んでくる。
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