4人が本棚に入れています
本棚に追加
×××××××××××××××××××××××××××
「平澤くん!助けて!」
「…またですか。今度はなんですか。」
「課題のプリントが!配るの間に合わない~っ」
「…先生あくまでも教師でしょ。生徒のオレに泣き言言ってどうするんですか。」
「冷たいっ」
半泣きだし。ブサイク。
もう放課後だし。帰りたいし。
なにより面倒だし。
普段なら絶対断る状況なのに。
「…さっさと行きますよ。」
この人に頼まれると、断れない。
こんな自分、嫌になる。
「平澤くん、ありがとう!大好きっ」
「な…っ!抱きつくな!暑苦しい!」
「酷い!感謝の気持ちなのに~。」
ガバっと効果音がつきそうな勢いで抱きついてきた先生を必死で引き剥がす。
オレ、顔赤くなってないよな?!
なんでもないような、満面の笑みがムカつく。
オレはあんたに触られるだけで、こんなに動揺してるっていうのに。
「…大好きなんて、簡単に言うなよ…。」
ご機嫌で歩き出した背中に呟く。
いち生徒としかみてないから言えることだって分かるのに。
いちいち振り回される自分にもムカつく。
先生の行動に、対した意味なんてないのに。
先生のことを諦めてしまえば、こんな思いをしなくてすむのかな…。
最初のコメントを投稿しよう!