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俺は門から数メートル離れ、助走をつける。
そして…
秋『よいしょ…っと』
かるく門を乗り越え、飛び下りる。
スタッと着地した…目の前には、キラキラしたイケメンが立っていた。
綺麗な黒髪は後ろで一つにまとめられ、濃い青の瞳がこちらを見つめている。
身長は俺より5センチくらい高い…180くらいだろうか。
秋『えと、すみません?』
声をかけるとはっとしてそのイケメンは話し出した。
遥「失礼しました、転入生の葉月秋人さんですね?私は生徒会副会長の高坂遥(こうさかはるか)と申します。」
嘘臭い笑顔。をみせるその副会長をみる。
なんて胡散臭い、と思いつつも
秋『はい、葉月秋人(ハヅキアキト)です。
よろしくお願いします。高坂先輩』
と、俺が答えると高坂先輩は少し不思議そうな顔をした。
なんかおかしなこと言ったかな?
思わず首を傾げる。
遥「ああ、すみません。先輩なんて呼ばれたことがなかったので…」
…俺はいま高校一年だ。
この学園はネクタイの色で学年が分かるようになっている。
一年生は赤
二年生は青
三年生は緑だ。
生徒会役員はそのネクタイに銀のラインが入っている。
目の前の高坂先輩は青のネクタイをしている。イコール先輩…
間違ってないよね?……
遥「いえ、なんでもありません!高坂先輩でいいです!」
秋『え、でも呼「いいんです!」…』
そう言って、さっきより少しやわらかく微笑んだ。
秋『…そっちの笑顔のほうがいいな』
遥「え?」
あ、声に出ちゃってた。
秋『え、っと、最初 無理して笑ってたみたいだったので……』
ちらっと先輩のほうを見ると、驚いた顔が次第に嬉しそうな顔へと変わっていくのがわかった。
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