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「あの…そこでねている人はだれですか?」
茉莉が尋ねた途端、父と兄達の顔が強張った。
「この方は鳳 秀(ひいず)。茉莉のお爺様だよ。」
茉莉が物珍しそうに老人を凝視していると、異変に気付いた。
老人の顔が異常に青白いのだ。
「この人、しんでるの?」
「そう。昨夜寿命を終えたんだよ。さぁ、今日は疲れただろう?ゆっくり休みなさい。琉嘉、茉莉を部屋に案内しなさい。」
「承知しました。」
「あの、ありがとうございます。父さま、兄さま。」
そして茉莉は六年振りに向日葵のような笑みを彼らに向けた。
再び琉嘉に抱き抱えられ、茉莉は琉嘉と共に自室へ向かった。
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