あらすじ

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 200X年、アフリカで発生したウォーターウイルス。感染すると髪の色や肌の色が白くなり、最終的には体が水に変化して死んだ。  いつしかこの患者をその姿を模して、白いカラスと呼ばれるようになった。  ワクチンがないこの病気に政府は相次いで収容施設を作り、患者を隔離するが、感染は収束しない。  竹下隆二は上京していたため助かったが故郷の家族も恋人も、このウイルスによって死亡した。     ある日、東京の収容施設で暴動が起き、一人の少女――加藤千佳が脱走。  竹下隆二は千佳を助け、家に連れて帰る。  千佳は施設の悲惨な現状を訴えたいと伝えたため、隆二は恋人に対してなにも出来なかった後悔から、手伝うことを決めた。  無事に動画をアップロードすると、マスコミが取り上げ、隆二と千佳は喜んだ。  千佳も恋人がいたため会いに行く。しかし白いカラスとなった千佳を彼は拒絶する。  帰宅する途中に千佳は、この病気は増えすぎて、地球を汚した人類をルーツである海へ帰すものだと述べた。  そして、隆二のアパートに到着する頃、ついに千佳にもタイムリミットが訪れ、体が水へと変化し始めた。  さらに、住人の通報により、隆二の家にまで、千佳に追手が迫る。  捕まる直前に、千佳の体は全て水になり、何も残らなった。  感染が疑われた隆二は、収容施設へ送られる。  しかし、彼は全く発症しない。  二ヶ月後、別の病院に移され、隆二の体から抗体が発見されたことにより、ワクチンが開発された。  6年後、開放されたが愛するものを失った隆二は生きていく意味を見いだせず、途中に見えた海へ入水する。  人類が発生した海へ帰ると。  海水の中で、隆二は千佳に出会った気がした。
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