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《かすみside》
もう何度目だろう…
私の過ち。
本当に死にたいのかさえもわからない。
でも、またやってしまった。
私の手首には何度も刃物を当てた傷跡…
幾重にも重なる傷跡に、勢い良く刃物を当てる。
いつもと違う勢いで吹き出した血は、顔にかかる程だった。
脈のリズムに合わせてその傷跡が朱に被われで行く。
もう今度こそ最後でいい。
あの人を失った私は、もう生きる気力なんてないんだから…
私はそれをバスタブに浸すと、溜めてたお湯が色付けられていく。
お母さん…
ゴメンなさい。
私…もう、限界…
徐々に意識が薄れて行く。
「かすみ!かすみ!
しっかりしろー!」
薄れてゆく意識の中、なんで今更…
日向(ひなた)の声が聞こえるの?
肩を揺すぶられているの?
気が付けばいつも日向って、私のそばにいてくれたよね…
私はここで意識を手放した…
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