5人が本棚に入れています
本棚に追加
毎日、日向はやって来た。
「かすみ、今日はモンブラン。」
「かすみ、今日はマロングラッセ見つけた!」
と言って、私の好物ばかり買って来てくれた。
といっても、栗のスイーツって探すが毎日になると難しいらしく…
『甘栗むいちゃいました』が2日1回持って日向はやって来た。
頼んでもないのに…
1か月経って退院する頃には、5個も余ってた。
なんだか可笑しくて…
今まで、近過ぎて見えていなかっただけなのかもしれない。
日向って、背は高いし、以外とイケメンだったりする。
優しいし、話していて面白い。
少し天然で、お陰で甘栗むいちゃいましたが余るぐらい。
そして、時々私の事をイジメてくる。
昔私が犬に追いかけられて泣いた話や、運動会で転んで泣いた話…
チクっと刺して、結局笑わせてくれる。
まるで、仔犬の甘噛みみたいなものかもしれない。
そんな日向との平凡な会話や、天然な行動、優しさに、私はリラックスして笑って生きるという大切な事を忘れてるぞって、日向から教えてもらったような気がした。
でも、理解できなかった事…
日向が、毎日ひまわりを一輪持って来た事。
理由を聞いても…
さぁって教えてくれないし…
それがわからないまま入院から丁度1か月…退院の日が決まった。
退院が決まったと聞き付けた看護士さんがやって来て…
「かすみちゃん、日向さんとはどうなったんですか?」
「えっ??
どうもこうも、幼馴染みなんですけど…」
「ええっ!?
かすみちゃん…
ひょっとして、気付いてないの?
日向君可愛いそう…」
「はっ?
どうしてそうなるんですか?」
「ひまわりの花言葉…
私はあなただけを見つめる。
ナースのみんな2人の話題でもちっきりよ…
日向君頑張れ~って。」
私はこの時初めて気付いたのかもしれない。
日向の想いに…
最初のコメントを投稿しよう!