2.弟なんていらねーし!

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しまった! これじゃ、何も終わらない! 取りあえずはこの場だけでもそういう方向にしとかないと! 「なるなる!碧の兄さんになるし!」 慌てふためいて今まで以上に声を張り上げると、碧の視線はまた俺の顔に向けられた。 その目が疑うように俺を見つめる。 ここでもう一押し! 「俺だってなぁ!ずっと可愛い弟が欲しかったんだぁぁよぉぉぉ!」 はぁ、はぁ。 どうだ、俺の全力の叫び。 心にもないことをこんなにも本気で言えるんだぜ? まいったか! 真っ直ぐに碧を見つめ返しながらその口が動きだすのを待つ。 さぁ、どうする碧? 兄さんになってやったぞ!(今だけ) 兄さんにこんなことしていいと思ってるのか!?(兄弟だなんてこれっぽっちも思ってないけどね) 言葉を発しようと碧の口が少し動き出した時、それは聞こえた。
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