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しまった!
これじゃ、何も終わらない!
取りあえずはこの場だけでもそういう方向にしとかないと!
「なるなる!碧の兄さんになるし!」
慌てふためいて今まで以上に声を張り上げると、碧の視線はまた俺の顔に向けられた。
その目が疑うように俺を見つめる。
ここでもう一押し!
「俺だってなぁ!ずっと可愛い弟が欲しかったんだぁぁよぉぉぉ!」
はぁ、はぁ。
どうだ、俺の全力の叫び。
心にもないことをこんなにも本気で言えるんだぜ?
まいったか!
真っ直ぐに碧を見つめ返しながらその口が動きだすのを待つ。
さぁ、どうする碧?
兄さんになってやったぞ!(今だけ)
兄さんにこんなことしていいと思ってるのか!?(兄弟だなんてこれっぽっちも思ってないけどね)
言葉を発しようと碧の口が少し動き出した時、それは聞こえた。
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