4.オムライスと救急箱だし…

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「ただいま」 バイトを終え、家に着くと静かに玄関のドアを開けた。 午前2時も回ると流石に誰も起きてはいないみたいで、外から見た限り部屋の電気は消えていた。 亮はまだ1時間あるみたいだから帰りは一緒にはならなかった。 ていうか、明日も大学あるのに働きすぎなんだよな、りょーちんは。 ああ、もしかしてあれか? 彼女にプレゼントでも買うつもりなのか? 大変だねぇ、彼女持ちとやらは。 まぁ、俺には全く縁のない話なわけだけど…。 つか、そう言えば、今日俺、りょーちんとキスしたなぁ。 って、すっかり忘れてたけど、あれはどういうつもりだったんだろう? なんか野々宮くんのいざこざがあったせいで、その意味を聞くタイミングも失っちゃったしさ、後日とか今更な感じがして聞く気にもなれないよな。 うーん、まぁ考えても分からんことはほっとこう。 深い意味なんてあるわけないんだから。 それよりも…と。 今日の晩飯は何ですかな? リビングに入り電気をつける。 「やった!オムライスだ!」 ダイニングテーブルに置かれたオムライスを見てテンションが上がった。 しかも『ようLOVE』なんてケチャップで書かれてるし、テンションが上がらないわけがない。 LOVEだって。 父さんったら、俺の方がLOVEだってーの! あー、俺も父さんのオムライスにLOVEMAXって書きたかったよー! なんてニヤニヤしながらレンジで温めると、スプーン片手に頬張った。
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