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彼女は私と知り合うまで日本食はカリフォルニアロールしか食べたことが無かったのですが、たちまちのうちに日本食のファンになりました。なめこ汁、寄せ鍋、あんこもちが大好物でした。彼女は近くの回転寿司店が大変気に入ってました。しかし、日本人の私から見て、これ寿司かよ!と思うものが彼女の好物でした。”辛いソースに絡まったたビーフマンゴーロール”、”照り焼きチキンにぎり”。デザートはあんこ入りのものなら何でも。
私の家でカレーライスを作って食べようとした時、彼女の表情が変わり、一口食べた後に、
自分のお兄さんが作るカレーを食べに着てといわれました。彼女にとってのカレーライスは
ご飯とカレーを別の皿に盛り手で食べる物。日本のカレーライスは本物のカレーじゃないって。さすが頑固な彼女。カレー談義1時間。
彼女のお兄さんは料理はプロ級でそれから彼の家の夕食会に毎月招待されました。
料理は趣味で、実際の仕事は全く別業界の品質管理の方です。
彼は料理は何でも自分で研究して作っているとのことでした。
そこで彼女風のカレーをご馳走になりました。お皿が確かにご飯とカレーに分かれている。フォークもスプーンもない。見よう見まねでやってみようか。まず大きな皿からご飯を
取ってピンポン玉のように丸める。それをカレーの方のお皿で転がすようにカレーをつけて自分の皿に入れる。横にとても辛そうなチャトニーがありそれを指で上手に自分の皿に入れる。
ご飯がポロポロしている。カレーに骨がついた肉が沢山入ってる。おにぎり感覚でできるぞっと思った私。でもご飯丸められない。丸めてカレーに付けて自分の皿に持ってくるなんて
難しいぞ。5回目くらいのトライでやっと出来た。ついでにチャトニーも。まずカレーに骨が
多い。チャトニーが超辛い。辛い物大好き私の胃に火がついた感じ。水、水、水。
その日以来はカレーの話は出ませんでした。
でもお兄さんはイタリアン、中華料理、デザートのパイやケーキもプロ級で私はお兄さんの家に招待された日は楽しみでした。お兄さんは私がよほどひもじいと思ったのか残り物をいつも沢山タッパーにつめてお土産にしてくれました。肉や脂っこい物が苦手な私の好みを知っていてメニューを考えてくれました。日本の蕎麦を使ったサラダや、醤油でサーモンをブロイルしたり。私はいつも皆が好きなあんこ餅を持って行きました。
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