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「……田部さん?」
ぼんやり見つめていたフレコンバッグから振り返って少し見上げる。
「西川課長……」
彼は経理部の課長で西川雅弘。歳は私よりも2、3歳上だろうか。
CE事業部と経理部はデーターのやり取りが多いので、CE事業部では私が取りまとめ、いつも西川課長が対応してくれている。
「どうしたんですか?」
「それは俺のセリフだよ。どうしたの?ボーっとして」
「私は……ゴミを。課長は……」
そこまで言って口を閉じた。
西川課長はゴミ箱を手にしていた。
「課長でもゴミ捨てとかなさるんですか?」
「そりゃするさ。それに今はたまたま。ちょっと肩が詰まってね。体を動かしたくなったから、気分転換に」
「そうですか……」
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