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静けさが広がった室内で、
聞こえるはずのない時計の秒針の音が聞こえるようだ。
時計を見つめてため息が漏れた。
ため息なんて、あまり自分には縁がないと思っていたのに。
西川の残した『年下上司』という言葉が頭の中にも、耳の中にも妙に残っていた。
あれは……
西川が見せた、
年上であることの余裕だろうか。
そもそも、見積なんて、毎月データだけやり取りしてんじゃねーか。
わざわざこんなところまで来やがって、
あの男、何考えてんだよ。
何……考えてんだよ……
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