ねえ。それでも……

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ちゃんと断ろうと思って正面玄関で西川課長を待った。 「ごめん、待たせたね」 少しだけ息が弾んでいる課長が私の前に来て笑顔を見せた。 「そんなに待ってないですし……。課長、すみません。本当に大丈夫なんです」 「……具合が悪いって、嘘なんだろ?」 彼の言葉に目を伏せて、私はゆっくり頷いた。 「すみません。だから……」 「じゃあ、体調も気にせず飲めるってわけだ」 「え?課長……!?」 「いいじゃないか。何があったか知らないが、たまには一緒に飲みに行ったって」 「課長……」 「嘘ついた罰に付き合ってもらうよ」 課長はそう言って笑顔を見せた。 だけど、 その笑顔とは裏腹に、 今日の課長にはいつもはない…… 強引さがあった。
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