「ねえ。それでも……」 二つの勇気

28/30
623人が本棚に入れています
本棚に追加
/30ページ
「……マジで『恋する乙女』じゃん」 彼にそう言われて、私は肯定も否定も出来なかった。 だけど、少し間を置いて、 ある一部を否定する。 「……乙女じゃないけどね」 他の一部は当たってるから。 でも、彼はそれを鼻で笑った。 「『恋する……』ってとこは、否定しないんだ?」 私は意地悪な彼を少し睨んだ。 すると、彼は私の視線をあしらうようにさらに続けた。 「そういうところが、俺から見れば『乙女』に見えるんだけど?」 年下の彼に…… 完全に主導権を握られている。 「青木くん……私のことイジメて楽しんでるでしょ?」 私は深いため息をついた。 「ああ、楽しいね。メチャクチャ」
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!