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これで……いいのよ。
心の中で呟いて、鏡の中の自分にも言い聞かせる。
すると、ぼんやりする私に声を掛けるように
携帯がもう一度振動する。
名前は
【青木 凌雅】
「……今日はよく鳴るわね」
私は小さく漏らしてから
どこか機械的に電話に出た。
電話に出るときには
もう……
決意してたから。
「はい、田部です」
私は極力業務的に声をつくった。
『ああ……、俺、青木だけど』
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