「ねえ。それでも……」 二つの勇気

7/30
前へ
/30ページ
次へ
これで……いいのよ。 心の中で呟いて、鏡の中の自分にも言い聞かせる。 すると、ぼんやりする私に声を掛けるように 携帯がもう一度振動する。 名前は 【青木 凌雅】 「……今日はよく鳴るわね」 私は小さく漏らしてから どこか機械的に電話に出た。 電話に出るときには もう…… 決意してたから。 「はい、田部です」 私は極力業務的に声をつくった。 『ああ……、俺、青木だけど』
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

622人が本棚に入れています
本棚に追加