「ねえ。それでも……」 恋する××

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青木くんが戻って、私たちは二人で事務所の鍵を閉めた。 会社の外に出た歩道で左右を見る彼に聞く。 「どこ行くの?」 すると彼は無表情のまま少し間を空ける。 「……行こうと思ったけど、足、実はスゲー痛いんじゃん」 彼は私の足に視線を落として少し不機嫌に言った。 「大丈夫よ」 そうは言ってみるものの、 本当は人生で一番ひどい靴擦れだった。 「じゃ、今から15分くらい歩くけどいい?その店、何でもウマいから」 「……い、いいよ」 私は浅く深呼吸をした。 「って、バカか。冗談に決まってんだろ。その足でどうやって歩くんだよ?」 その言葉に私は彼の顔を改めて見上げた。
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