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「歩くどころか、その靴履いてるのも辛いんだろ?」
……大当たり。
心の中で呟くと、彼が歩道から身を乗り出した。
片手を高くあげてタクシーを捕まえる。
何台かに素通りされた後、一台が私たちの目の前に停車した。
彼が視線で私を呼ぶので私は吸い寄せられるようにタクシーに乗り込んだ。
私は少し……
驚いていた。
目の前の彼は……
当時、私が付き合ってた頃の彼とは別人みたいだった。
ほんの数年でも歳を重ねたからか、
また、仕事上いろいろな人と接してきた経験からか、
それとも……
森野さんと月島さんとの一連の出来事が影響しているのか、
あの頃にはなかった
大人の男性の魅力を感じた。
そして
そんな彼に……
……胸が高鳴った。
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