「ねえ。それでも……」 恋する××

4/30
前へ
/30ページ
次へ
彼が運転手に行先を告げるのを待っていると、 彼は運転手の前に私に言った。 「俺んちでいい?……つうか、変な意味じゃなくて」 「……う、ん」 私が遠慮がちに返事をすると、彼は自分の自宅の住所を告げた。 了承した運転手がタクシーを発進させた。 「あ、それと、少し手前にコンビニがあるんで、そこで一度停まってください」 数百メートル進んだところで、彼が思い出したように言った。 そして、私には「何もねーから」と言って説明した。 私はふと、 少し大胆な発想を思いついた。 だけど、口にするのにも勇気がいるほど大胆だ。
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

602人が本棚に入れています
本棚に追加