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彼が運転手に行先を告げるのを待っていると、
彼は運転手の前に私に言った。
「俺んちでいい?……つうか、変な意味じゃなくて」
「……う、ん」
私が遠慮がちに返事をすると、彼は自分の自宅の住所を告げた。
了承した運転手がタクシーを発進させた。
「あ、それと、少し手前にコンビニがあるんで、そこで一度停まってください」
数百メートル進んだところで、彼が思い出したように言った。
そして、私には「何もねーから」と言って説明した。
私はふと、
少し大胆な発想を思いついた。
だけど、口にするのにも勇気がいるほど大胆だ。
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