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ケラケラ笑って近寄ってきたのはいつも朝日君とよく一緒にいる女の子達で、羨ましいなぁと常に感じていた相手だった。
無性に胸が軋む。
「...たくお前らは」
深い朝日君の溜め息が髪を揺らした。
「こんなとこで襲うかよ、ばかっ。俺のこと迎えに来てくれたんだけど居なくて帰ろうとしたとこでちょうど出会った俺が声かけたから、びっくりして飛び跳ねたときに後ろのドアで頭ぶつけたんだよ。お前らがサボった授業のノート写してなかったら俺が先に迎えに行けて頭もぶつけてなかったんだよ」
的確に事情を説明されたわけだけど、あんな一瞬で私の行動が分かってしまうなんてどれだけ頭が回る人なんだろうか。
感心しすぎて目をひたすらぱちぱちすることしかできなかった。
「襲うなら別のとこでやるってさ」
「話聞けよお前っ!」
悪ふざけした深瀬君に心底呆れた感じの朝日君がキャンって噛みついた。
なんだか、知らなかった朝日君の顔が見れて嬉しい。
「彼女大丈夫なのー?なんか、ごめんね」
「ごめんね。てか、でも、光輝がもっと気をつけて声かけてりゃ頭ぶつけなかったんじゃない?」
こめかみのあたりに指を乗せて、その後指をスナップさせる。
「あ、あー、うん、そうだ、そうだよね」
提案がまさにその通りであるかの如く、激しく頷き繰り返している二人。
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