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断られることを当然なこととして、恋を終わらせることを覚悟した上での告白。
そもそも学校の人気者でかっこいい彼が私なんかを見てくれるはずがないと分かっていたから、言うだけ言ってすっきりしたいという自己満足が働いた告白だったから、あんなにあっさりいいよなんて言ってくれると思わなかった。
そんな答えは想定外。
だから、咄嗟に叫ぶだけでまともな反応が出来なかった。
なんで??そもそも私のことなんて知らない、よね?
本人に直接聞きたかったけど返ってくる答えが怖くて、結局聞けないままそんな疑問がその日から頭を離れない。
今日から西野谷は、俺のな?
そう言ってくれたことに満足して。
私が朝日君のそばにいてもいいという許可がもらえたことで舞い上がってしまって、彼の笑顔が自分に向けられたことが嬉しくて仕方なくて。
それ以上は望めなかった。
彼氏彼女という関係だけほしかった訳じゃない。
それは違う。断じて。
彼に私のことを知ってもらえる機会を手に入れただけで嬉しかったから、好きになってもらえるチャンスを与えてもらえただけでも幸運なことなんだから、その機会を失わせないようにしなければと思った。
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