694人が本棚に入れています
本棚に追加
一人になって、私は宣言どおりに読みかけの本を開いた。
何かで気を紛らわしたかったのかもしれない。
しばらくぶりに開く恋愛を交えたミステリ―小説。
私はしおりを挟んだページから数ページ戻ってストーリーを思い出しながら読み始めた。
頭の中は本のストーリーと、頭から離れない恥ずかしい妄想でぐしゃぐしゃになる。
ストーリーに集中できずに本を閉じかけた時、
こともあろうに主人公と想いを寄せる彼とのキスシーンに突入してしまった。
濃厚に描かれたキスシーンはそのままベッドシーンに移行する。
今まで集中できなかったクセに
そのシーンだけが妙にリアルに頭に浮かぶ。
あっくんが戻って来たのは
その時だった。
カチャリとドアが開くのと同時に、
私はパタリと本を勢いよく閉じた。
最初のコメントを投稿しよう!