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閉じた本を手にして目が泳ぐ私。
不自然極まりない様子に当然あっくんは気付いていた。
「ひかる、何してんだ?」
「……ううん、何でもない」
私はロボットみたいにぎこちなく答えた。
「あっくん、ビール飲む?水にする?」
私は早口に言って本をソファに押しつけるようにして立ち上がり、冷蔵庫に小走りに向かった。
「うーん、ひかるも少し飲むか?ビール」
あっくんがデスクの椅子に座りながら言うので私は一瞬視線をずらして
「じゃあ……少し」と、冷蔵庫から缶ビールを取り出した。
それをあっくんに手渡しながらあっくんの手元を少しだけ覗いてみる。
「まだ……かかる?」
言い終える前にまた視線を逸らしてしまった。
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