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「こんな風よ……」
ひかるは俺がさすっていた腕をするりと抜いて背中から滑(スベ)るように俺の膝に乗った。
そして、頬に触れるだけの軽いキスをして小さく微笑んだ。
笑みが小さくなったのはひかるが自分で自分の行動に照れているからだ。
頬に熱が生まれて赤くなっている。
仕事……
もう、無理だ。
俺がひかるにちょっかいを始めようとすると、
ひかるが照れ隠しのように違う話題を持ち出した。
「田部さんね、私に上手な甘え方を教えて欲しいって言ってたよ」
「甘え方?」
俺は一度崩れかけた理性を奮い立たせてひかるの話に乗った。
「私……別に上手く甘えてるつもりなんてないんだけど……」
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