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その唇が俺を求めていると知りながら、
俺は自分の企みのために目を逸(ソ)らした。
「……あ、ひかる。ワリイ。今日中にやっとかなきゃなんねー仕事思い出した。続きはまた今度な」
俺が言うと、見つめ返すひかるの目にはまだ熱が宿ったままだった。
「……うん」
俺はひかるを膝から降ろした。
「風呂入って先に寝ろ」
俺はひかるに言うと棚に並んだ書類から一束取り出してデスクに広げた。
「じゃあ……お風呂行くね」
ひかるは小さな息を漏らして風呂場へ向かった。
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