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あっくんが泣きべそをかく私の頭を撫でるように手のひらを置く。
いつもと同じ温かさが私を深く安心させる。
いつかきっと……
今待ち望んでいることが現実になる……
あっくんの手のひらと、どこまでも優しい眼差しが
私にそれを確信させる。
「お茶、熱いの、入れ直すね……」
私はあっくんに微笑み返しながら席を立ち、もう一度キッチンでお湯を沸かし直した。
あっくんの想いに触れ、
節子おばさんと母の愛情に包まれ
自分は本当に幸せ者だと思った。
立ちのぼる湯気の向こうに三人を見ながら
私はもう一度涙を拭(ヌグ)って
お気に入りの紅茶の葉にたっぷりのお湯を注いだ。
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