【突然の来襲・・・母は強し】

20/25
前へ
/25ページ
次へ
あっくんが泣きべそをかく私の頭を撫でるように手のひらを置く。 いつもと同じ温かさが私を深く安心させる。 いつかきっと…… 今待ち望んでいることが現実になる…… あっくんの手のひらと、どこまでも優しい眼差しが 私にそれを確信させる。 「お茶、熱いの、入れ直すね……」 私はあっくんに微笑み返しながら席を立ち、もう一度キッチンでお湯を沸かし直した。 あっくんの想いに触れ、 節子おばさんと母の愛情に包まれ 自分は本当に幸せ者だと思った。 立ちのぼる湯気の向こうに三人を見ながら 私はもう一度涙を拭(ヌグ)って お気に入りの紅茶の葉にたっぷりのお湯を注いだ。
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!

675人が本棚に入れています
本棚に追加