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「いただきまーす」
私はケーキと言ったら、まずはショートケーキなのだ。
もちろん、あっくんはよく知っている。
一口、二口。
節子おばさんの言う通り、甘いものを食べれば機嫌は直る。
あっくんも私の横で、ケーキを頬張る私を見て笑ってる。
「ひかる、俺のも食うか?」
あっくんがフォークに一口分を取ってくれ、私の口に運んでくれる。
「ありがと、あっくん」
私はいつも通り、何のためらいもなくあっくんのフォークをパクリとくわえる。
ショートケーキとは違う濃厚なチョコレートの甘さと苦さに頬が完全に緩んだところでハッとした。
横目に見る母と節子おばさんがケーキを食べることも忘れて私たちを見つめていた。
「二人とも……随分仲がいいのねえ」
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