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「はあーあ。貸すのイヤになるな」
その言葉から始まった本題に
私もあっくんも同時に小さな咳払いをした。
「それとこれとは話が別でしょ」
あっくんは内田さんが出すのを渋(シブ)っている書類の束を催促して受け取ると、必要箇所に慣れた様子で書き込みをして、押印も済ませた。
形式上の契約が整うと、内田さんの厚意ですぐに物件を見に行けることになった。
なんだかんだ言っても、
内田さんは私たち二人を……
応援してくれる人らしい。
私たちは内田さんから鍵を預かり、
二人だけで物件を見に行くことにした。
「これ以上、見てらんねえ」というのが内田さんの言い分だった。
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