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目的の物件は、あっくんが言った通りの立地条件の良い場所にあった。
二階建ての建物で階段を上がってすぐが事務所となる部屋だった。
ガラス張りのドアに鍵を挿し込む時には、何かを確かめ合うように二人で目を見合わせた。
それはまるで
二人で新しい世界にでも行くみたいにドキドキした。
カチャリと音を立て、ゆっくりとドアを開ける。
中はブラインドウが下がっているので薄暗い。
真っ先にそれを開けて光を入れるとともに窓を開けて空気を入れ替えた。
真っ新(マッサラ)で何もない部屋は十畳ほどの広さしかなかった。
けれど、一瞬にして私は
あっくんのデスクや小ぶりの応接セット、天井まで届く本棚やパーテーション代わりの大きな観葉植物などを頭の中で配置した。
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