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私はゆっくりとあっくんの方へ歩み寄った。
胸の奥が高鳴って、足元がおぼつかない。
そばまで来るとあっくんは自分の胸の中に私を入れて抱きしめた。
この時の私は
いつもと違う雰囲気にあっくんの腕の中で顔を上げることが出来なかった。
少し俯いた私の耳が
ちょうどあっくんの胸の真ん中で
私と同じリズムの鼓動を拾い上げた。
あっくんはそのままの体勢で口を開いた。
「ひかる……。
こうやってひかると一緒に何かをカタチにしていくの、
……マジでうれしい。
お袋たちにはまだまだ先だって言ったけど、
本音を言うなら今すぐ欲しい。
だけど、ちゃんとわかってるんだ。やっぱりまだ早いって。
だから、ひかる。
ひかるにはわかってて欲しいんだ」
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