【あっくんの 願い】 

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数ヶ月度―― 季節は冬を迎え、 窓の外では珍しく雪がちらついていた。 私たちは二人とも入浴を済ませ、寝るまでのゆったりとした時間を過ごしていた。 「ひかる、ちょっと来いよ」 私はあっくんに呼ばれてキッチンで温かいほうじ茶を淹れてソファに向かった。 「なあに?」 テーブルにお茶を置いてあっくんの手元を一緒に覗いた。 あっくんが手にしていた資料は…… アパート……マンションの見取り図……? 「……マンション?」 私は首を傾げながらあっくんを見た。 「店舗」 あっくんが答える。 「店舗……?」 あっくんの返事にもなんだかピンとこずにまたしても疑問形になってしまった。
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