【あっくんの 願い】 

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すると、あっくんは「わからないのか?」とばかりに今度は言い方を変えた。 「事務所」 「事務……所……。事務所!?」 私は思わずあっくんの腕を掴み、手元の資料を奪うように深く覗き込んだ。 よく見ると、 部屋がいくつもあるわけではなく、ベランダもなければ、トイレがあるのにお風呂はない。 「……事務所……」 私はもう一度呟いてゆっくりとあっくんを見上げた。 「内田さんがいい物件見つけてくれてさ。駅も近いし、郵便局も近い。法務局も裁判所も自転車で行ける距離だし、この条件で家賃15万。ここしかないと思ってさ」 「あっくん……」 あっくんの説明を聞きながら自分の顔が熱くなっていく。 恥ずかしいからとか照れるとか、そんなんじゃなくて、 興奮で気持ちが高ぶっていた。
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