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そして、その説明をするたびに俺は言われるんだ。
「まあまあ、それなら先生、頑張らなくちゃ」と。
頑張れるものなら当に頑張っている。
けれど、こっちは待つ身なんだ。
ひかるを待つと言った気持ちに変わりはない。
けれど、一方で、こんな言葉もついてくるもんだから少しばかり不安になる。
「月島さん、早くしないと他の男に持っていかれるんじゃないの?」
その可能性がないとは言い切れない。
いや、ひかるはそんなこと……
絶対にねえよ。
……あるもんか。
そうして、俺はまた深いため息を一つついた。
「帰ろ」
小さく呟いてから戸締りをして事務所を出た。
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