一年後……

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「…ヤ…ちょっと、あっくん……」 ひかるが俺の手を止める。 もう少し攻めればひかるはきっと参りましたと俺に全部を委(ユダ)ねてくるはずだ。 俺がひかるの手を払い除け、強引に続けようとすると、 今日のひかるはなかなか落ちない。 「あっくん、先にご飯で、お風呂」 ひかるは俺の手を自分から引き剥がした。 いつもは…… 上手くいくのに。 俺は自分の唇が子供みたいに尖っていくのに気が付かなかった。 すると、ひかるが笑う。 「あっくん、こうなってるよ」 ひかるはアヒルみたいに唇を突き出した。 「バーカ。なってねーよ」 「うそ、なってたよ」 ひかるがアヒル口のまま言うから結局折れたのは俺。 「そんなマヌケな顔してねーよ」
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