男子高校生 西園寺圭の真実の恋番外編 ~雨~

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 入学して2ヶ月が経った――  西園寺先輩とは、まーったく進展がない。俺の呼び名も相変わらず『学年代表』のままだ。 「少しでもいいから接点を増やして、距離を縮めて先輩後輩の壁をこれでもかと、ぶち壊してやる!」  その熱意を胸に美術部に足繁く通って、小さなことでも構わずに質問しまくったり、そりゃあもう必死になって、話しかけたりしたんだ。出会い頭の接点のお陰で、他の新入部員より可愛がってもらってる。と思う……  しかしながらその可愛がり方が、若干違う気がするんだけど―― 「いーよな、御堂ってば西園寺先輩のパシリが出来て」 「そーそー。俺らならありえねぇもん。頭を撫でられたと思ったら、叩かれるとか」 「先輩の犬と化してるよな」
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