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「あ、降り出した……」
部活が終わり生徒玄関から出た瞬間に、パラパラと雨が降ってきた。
「今日は雨が降らないって朝、テレビで言ってたの聞いたんだけどな」
パラパラだった雨粒が、音を立てて降り出したのだが、遠くを見たら雲の隙間から青空が覗いてる状態。雲の流れも早いし、待っていればその内に止むだろうと、その場に立ちつくしていたら。
「おっ、学年代表お疲れ~! ゲッ……なに、この雨!?」
俺の隣にひとり分の空間を開けて、横に並んだ西園寺先輩が、空を仰ぎ見て顔を歪ませた。
「お疲れ様です。たった今、降り出したばかりなんですよ」
「ええ~っ……すぐに帰りたかったのに、タイミング悪いな」
肩にかけていたカバンを床に投げ捨てるように置き、はーっと大きなため息をつく姿に、こっそりとほくそ笑んでしまう。
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